【ネタばれ有り】映画 『IT / "それ"が見えたら終わり。』レビュー・感想
「少年少女たちのひと夏の成長物語」
2018.05.18 鑑賞
先日『レディ・プレイヤー1』を観まして、作中の出てくる『シャイニング』を観返そうとTSUTAYAに行ったところ、スティーブン・キング繋がりで、なんとなく気になったので『シャイニング』そっちのけで借りてきてしましました。
簡単にあらすじを
子供たちが次々疾走するという不可解な事件が起こる街で、事件に巻き込まれていく少年少女が恋に友情にと成長しながら事件の真相を追うミステリー
※詳しいあらすじを知りたい方はGoogle先生に聞いてみてください。
ちなみに原作未読、過去作も観ていません
ホラー映画なのか?
普段ホラー映画はあまり観ることがないので詳しいことはわかりませんが、私の印象ではホラーというよりはサスペンスやミステリーのような感じがしました。
ホラー映画をあまり見ないのは、お化けが怖いとかそういうのではありませんが、驚かしてやろうとする描写と、ただただびっくりするだけの映像が嫌なので。(※言い訳ではありません)
その点でいうとこの『IT』は怖そうな印象があったので、観る前は嫌だなーと思っていたのですが(じゃあなんで借りた)、あまり怖くもなく、むしろサスペンスやミステリー的な要素が強いと感じました。怖がりたい、驚きたいという人には期待はずれかも・・・
ここが良かった!
・王道なお約束をあえて裏切る演出
暗い部屋で探し物をしていて音がする方にライトを当てると・・・とか、落ちているものを拾い上げるとそこには・・・とか、後ろを振り返ると・・・みたいな観客が”来るぞ来るぞ!”と身構えているところにあえて何もないっていうシーンがいくつかありました。かといって奇抜な怖がらせ方をしてくるわけでもありませんでしたので、あんまりびくっとするようなこともなく穏やかに観ることができました。
・時代の空気感がノスタルジック
役者さんたちの服装とか見た目、街並みなどももちろんですが、映像から出てくる空気感のようなものがすごく出ていてよかったです。
特に中盤のみんなで河に飛び込んでキャッキャウフフするシーンはホラー映画ということを忘れさせるようなほのぼのとした映像でした。このシーンいるかな?なんて野暮なことを考えつつ、『リリィ・シュシュのすべて』や『スタンド・バイ・ミー』を思い出していました。
何かの伏線になっているのかなと考えたのですが一回観ただけではあまり繋がりは見つけられませんでした。
・子供にしか見えない感じない
鍵のかかった扉から出ようとしている無数の手かと思いきやホルマリン漬けのようなエイリアンから出てきたコックのおじさんとか、異変に気付かない図書館のおばちゃん、血だらけバスルームに何も感じないヒロインのお父さんなど、大人たちは”それ”の存在には気付かない、子供たちにだけ見える・感じるっていう設定は個人的に好きです。
私はもう過ぎてしまった時代だからこそ、子供にしか見えない世界はちょっぴりうらやましいです。
ここはイマイチ
・背景説明が少ない
予備知識ゼロで見たので、なんとなく腑に落ちないところが多々ありました。
子供たちに襲い掛かってきた謎の現象の正体は”恐怖”だったのですが、なんでみんなピエロが見えていたのかなと。
調べてみたところ実在の事件をベースにしているみたいですが。
途中で子供たちも、正体に気づき、各々怖いものを発表し合うのですが、ピエロが怖いと言っていたのはメガネの子だけ。
絵画に描かれた人を怖がっていたのは何故かとか、おデブの子が色々調べていた過去の事件とのつながりとか首とか、女の子とお父さんの関係とかとか。
なんとなくは予想できたけどもう少し語ってもよかったんじゃないかなとも思いました。
そういえばいじめっ子たちは仲間が一人行方不明になったのに全く動揺してなかったし、あの後どうなったんでしょうか。
・ピエロことペニーワイズがあんまり怖くない
意外とかわいい顔してるんですよねぇw
よだれたらしたりしてちょっと気持ち悪いし、子供たちを捕食するときはなんかエイリアンみたいでしたし。(小さい歯がたくさんある見た目のお口はどこかで最近見た覚えがあるけど何だったな・・・)
迫ってくる動きもコミカルな感じであんまり怖いとは感じられませんでした。
最後なんか子供たちにフルボッコにされて”可哀想に・・・”なんて思ってしまいましたw
ペニーワイズだって生きるために子供を捕食しているだけなのに・・・
あとがき
まぁ何はともあれ怖いの嫌だなと思いながら観た映画でしたが、いい意味で期待を裏切られ、結構楽しめた映画でした。
個人的には観終わった後に色々考えられるストーリーは楽しいし、過去作や原作もいつか読んでみたいと思いました。
続編があるようなラストでしたし、実際に続編の制作も決まっているようです。
観なくては。
- 作者: スティーヴンキング,Stephen King,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1994/12/01
- メディア: 文庫
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